潤滑油のイロハ はじめに
新しい素材が多彩な分野で使用させるようになり、高強度材料の細線、チタン合金の切削、磁性材料の箔など、精密プレスなど加工に求められるものはより難しくなってきました。
難加工材料を伸線や絞り加工などの塑性加工や、切削、プレス加工を行う場合に重要な要素は潤滑です。表面荒さ・焼き付き・工具の寿命などに大きく影響してきます。また生産スピードも重要です。
最近は、チタン、タンタル、ニオブなどの箔や細線が用途として増えてきました。ご存知の通りこれらの材料は硬くはありませんが材料の結晶構造から、大変加工熱をもち、カジリや傷、磨耗などあり、加工が困難です。
そんな中で様々な加工方法も開発されてきました。
伸線加工する場合、表面にメッキや、わざと酸化処理し、ダイスが直接素材に当たらないように加工し、最終処理で研磨などで除去する。こうすれば加工は容易ですが、加工にコストがかかります。
ローラーダイスで伸線加工を行うと、引き抜き抵抗が少ないので比較的容易に加工できるが、φ0.5mm以下の加工が難しい。また真円度が穴ダイスに比べて劣る。
テフロン系潤滑油を使用した場合、直後の摩擦の低下は著しいが、素材が加工熱でテフロンコーティングされた状態になってしまう。しかもテフロンは熱で変質し潤滑ラインを詰らす。
テフロン添加で機械が故障した場合、アメリカでは保障外になる場合が多い。
モリブデン系も同様でモリブデンカラーが材料表面についてしまいます。また腐食作用があるので気をつけなくてはならない。
では、理想的な油はどのような油でしょうか。
江戸川区や蒲田には、プレス工場などの加工会社がたくさんありますが、従業員が数名の会社でも、大手と対等に取引を行っている会社があります。
その為には独自の加工技術と油がポイントです。よそで加工できないものを加工できる事が重要で、彼らは独自ブレンドした潤滑油を持っています。もちろん門外不出です。