英語版ホームページ
海外展開を考えた際にまず必要になるのが英語版の自社サイトですね、しかし「英語版のサイトを作ったけど効果がなかったよ」なんて話をよく聞きます。
たしかに英語版のサイトを作っただけでは、海外から問い合わせがくるとは考えられません。サイトは見てもらえなければ何も意味がなく、数千数万のサイトの中から自社のサイトが検索され、顧客を誘導するための仕組みのほうが重要なのです。
この章ではサイトの製作から顧客を誘導するまでの仕組みについて考えていきます
とりあえず英語版の自社サイトはお持ちですか?まだ無いならビールでも飲みながらサクッと作ってしまいましょう!
英語版サイトといっても難しく考える必要ありません、最近ほとんど文字を使わない傾向になっていると思います。
国内のサイトは内容の作りこみとSEO対策で、Google検索などで上位に表示されるように内容重視だと思いますが、英語圏は約20億人の人口とインターネットの歴史も長いため、サイトの内容の作りこみでは検索上位に表示されることが難しいのです。
だから顧客をサイトに誘導する仕組みに力を入れたほうが効果があると考えます。
英語版サイトは写真重視
イケアの取説って見たことあります?
レゴブロックの取説もそうですが、文字を1つも使ってないのです。絵と記号だけで組み立て方を説明しています。それによって全世界のユーザーに対して1種類の取説で済んでしまうのです、なんて効率的なのだろうか!
絵や写真って世界共通言語なんですね、だから最近のトレンドとしては写真や動画を使って説明します。
たとえばある製品の説明で1000文字の文章を書くより、写真を見せたほうが早いということですね。
スーパーや家電店などの広告用のチラシも説明文なんてほとんどなく、写真と値段ばかりだけどそれで十分なんでしょうね、
だから英語版サイトも難しく考えないでなんて、写真と簡単な単語の組み合わせでサクサク作っちゃいましょう!
簡単にサクサクといっても最低限抑えておく必要があることを下記に書いておきます。。
・会社の概要と社長の笑顔と趣味とプロフィール、あいさつなど
・Q&A集※お客さんに「質問されると思うことをあらかじめQ&Aにしておくと対応が楽になります。
・注文から発送までの手順
・製品のスペックなどの情報
説明文などは日本語で作って、クラウドワークスとかで翻訳依頼をしてしまえば安上がりでいいと思います。
手作りでのサイト製作の勧め
以前にも書きましたが、国内のサイトって検索上位に表示されるよう、デザインやSEO対策に力を入れていると思いますが、自分の経験から海外のサイトって、あまりデザインやSEO対策に力を入れる必要がないと思います。そのかわりサイトに誘導するための外部の仕掛けが大切になってきます。
だから誘導する仕掛けがメインなので、サイトはとりあえずシンプルでOKです。
ただしサイトのアップデートはかなり頻繁にする必要があります。
なぜかというと、海外に売り込むのだから情報は新鮮である必要があります。そのためには自分でサイトを製作するか小回りのきく業者に任せる必要があると考えています。
私は最初ホームページビルダーってソフトを使っていましたが、自分には多機能すぎて使いにくかったので、このサイトもそうですが「SIRIUS」っていうソフトを使っています。このSIRIUSはかなりマニアックなホームページの製作ソフトなのだけど、シンプルで色気のないサイトを作らせたら無敵です(笑)
最初から良いものを作ろうと考えると、なかなか前に進まなくなるのです。白紙に写真を置いて簡単な説明だけの簡単なサイトをまず製作してみてください、私たちが作るのはサイトの内容です、それが完成したらデザインはプロにお任せでいいと思います。
わたしはまだプロにお願いしていませんが...
サイトに掲載するべき内容の補足
サクッと海外版のサイトをつくってしまいましょう!なんて言っておきながらいろいろ書き忘れていました。恐縮ですが補足説明します。
日の丸(国旗)
海外の展示会に出展していて、来客に「チャイニーズか?」ってよく言われてムカつきました(笑)
最初はイエローをバカにしているのだと思っていたのですが、どうやら本当に国籍の見分けがついていないようでした。グローバルな世界では、自分の会社がどこの国の会社なのかしっかり発信しないとわからないのです。
それはサイトも同じで、私は海外の同業者の情報を調べるため、英語版サイトをよく検索しますが、国旗がトップ画面にないとどこの国の会社かわからないです。
だからサイトのトップに国旗を掲げ、堂々と日の丸を見せつけてやりましょう!
もうAre you Chinese?と言わせません!
※チャイニーズを差別いていません、愛しています。
代理店募集
まえにもコラムで書きましたが、海外に製品を効率よく販売するために代理店の開拓は重要です、どうせならトップページに代理店募集と入れてしまいましょう!
We are looking for agency.でもいいですが、WANTED! Agencyくらい熱い表現が自分的には好きかな(笑)
グローバルな世界では、意思表示をすることはとても大切です、国内のものづくり系のサイトに「代理店募集」って書いている会社は少ないと思います。
しかし海外では意思表示することがアタリマエなので、代理店が欲しいのならば欲しいって書いちゃえばいいのです。
考えていることをすべて言っちゃっていいのは海外だけ!たのしいね(笑)
価格表について
これは難しい部分なのですが、海外からの問い合わせって価格の調査が大半を占めていて、それに付き合っていては事務作業に追われて面倒くさいのです。価格表を掲載してしまえば、価格調査が目的の問い合わせが激減するので楽なのです。
しかし価格を出すことで価格破壊のトリガーになったりしますので慎重に考える必要がありますね。
サンプル有料
中華系からの問い合わせに多いのですが、決まれば毎月5TON購入するのでサンプルを無償で下さいとよく言われますが98%嘘です。
だから返信としては「サンプルは有料です、しかし取引が成立した場合はサンプル代金を値引きさせていただきます」と返信します、これくらいでちょうどいいですね。
無駄な問い合わせを減らすために、目立つようにしっかり掲載することが重要です。
取引しない国
少し重要です、R&D Materialsは研究用の材料を販売しているため、さまざまな国から問い合わせがきます。そしてその材料が最終的に何に使われるかまで把握できないのです。
以前に知らずにイスラエルの軍事企業に材料を売ってしまったことがあり、さいわいにも出国前に止められましたが当局にえらい怒られたことがあります。
トラブルになりそうな国とは取引しないように、いちおう書いておいたほうがいいかもしれません。
サイトのアップデートについて
自分自身にも言えることですが、海外取引のスキルはまだまだで、試行錯誤の毎日です。
だからサイトもフットワーク良くアップデートするように心がけています。
サイトなんてサクッと作っちゃいましょう!って書いたのは、どうせ何度もアップデートすることになるので、最初から完璧をもとめても意味がないのです。
お客さんから何か質問があれば、すぐにQ&Aをアップデートする、追記があればすぐに更新することが大切です。
だからある程度までは自社で作成する、あるいはアップデートにすぐに応じてくれる会社に依頼したほうが良いかと思います。
アップデートを繰り返しながら、海外版のサイトを育てて行きましょう!
さいごに
先日、某行政機関の海外販路開拓に関する意見交換会に呼ばれたのですが、行政って考えが5年くらい遅れていて(笑)いまだにホームページによる海外販路開拓に対する補助金事業をしているのです...
今この時代に製品を海外に売り込もうって考えている会社が、英語版サイトがありません...なんてあるわけないと思います。僕たちはもっと高いレベルで思考しているわけで、なんてレベルの低い話をしているのだろうかって悲しくなりました。
もうフェーズが違うということを理解しないといけません、サイトなんかにお金をかけないでいいのです「自社のサイトにいかにしてお客さんを誘導するか」が大切なことなのです。つまり入口を作ってやることです、レストランに入口が無ければお客は来ませんね、サイトも同じですよ。
ちなみにR&D Materialsの英語版サイトなんて、シンプルで色気のないワープロで作ったようなサイトです、でもこれがなかなかいい仕事しますよ(笑)
それは入口がいろいろなところにあるからです。
頭の中でいつまでもシミュレーションしているだけでなく、実際に行動を始めることで新しく広がる世界や出会いにワクワクしてきます、日本から海外へ飛び出しましょうよ!