パーマロイ(Permalloy)+センサープローブ
磁気シールド材であるPermalloy(パーマロイ)がセンサープローブの開発にどのように使用されたかについて説明しています。Permalloyは、初透磁率(μ1)が大きく、保持力(Hc)が非常に小さいため、磁気を帯びやすく、すぐに消磁する特性があります。これは、磁気シールドに使用するのに適しています。
センサー回路に自然界の磁力線が触れると、発電機と同じ原理で回路内に微小な電流が起電されます。この微小な電流はノイズとなり、センサーが正確に計測できなくなります。ゲインを下げることで、センサーの感度をノイズの影響を受けない程度まで下げることで対応できますが、感度が低下してしまいます。
磁気シールドプローブは、磁気シールド材のカバーをセンサーに取り付けることで、簡易的な磁気シールドルームの効果を得ることができます。これにより、ノイズの影響を減少させ、センサーのゲインを最大限まで高感度にすることができます。
この記事では、既存の計測機の増幅装置およびセンサー部に、磁気シールド材を後付けし、機器の性能向上を狙っていることが述べられています。これにより、磁気の影響を受けにくいセンサープローブが実現し、より正確な計測が可能になる.
パーマロイ(Permalloy)+センサープローブの素材について
素材はPermalloy(パーマロイ)で厚み0.5mmの素材を使用した。
もう少し厚い材料を使用したいところだが、プローブにするためには製管工程が必要になり、曲げの半径によっては歪の影響で特性が減少する。
0.5mm材を使用することで、影響を最小限に抑える狙いがある。
磁気焼鈍工程を部品後に処理をするか、処理済みの素材で部品を製造するかが問題ですが、プローブに成形後に焼鈍すると、座屈などで形状が安定しないため、処理済みの材料を使用しプローブの製造を行うことに決定した。
パーマロイ(Permalloy)+センサープローブの製造について
パーマロイ(Permalloy)プローブの筒部はローラーで製管すると歪の影響で特性が下がってしまうため、冶具を使用し内部の組織に歪が入らないよう、カールさせロウ付けにより突合せ接合を行った。
センサー本体にクランプする継ぎ手部品は、センサーに及ぼす影響が少ないため、コストを考慮しパーマロイではなくアルミ合金で製作した。クランプ部のバリエーションで様々な形状のセンサーに対応が可能となる。
パーマロイ(Permalloy)+センサープローブの性能について
パーマロイ(Permalloy)+センサープローブにより、センサー感度のゲインを上げることができるが、微弱電流を検知するためのセンサー回路は、センサー部以外にも、ケーブル、増幅装置、アースからのノイズなど様々な要因があり、センサー部だけの防磁では、磁気シールドルームほどの性能は得られない。
対策として、パーマロイ(Permalloy)箔を使用した。
10-30μの焼鈍箔を両面テープを、センサー回路の増幅部、電源部、ケース内側に張り付けることで、機器内部の磁気の影響を防止することで、大幅に感度を上げることが可能となったが、あまりにも原始的でシステマチックな対策ではないですね。
MM-Labへのお問い合わせ
MMLab.では、新素材+加工技術で高機能化をお手伝いいたします。
なんなりとご相談ください
現在はMM-Lab.へのお問い合わせは幹事企業の株式会社日本クロス圧延で取りまとめています。
機能材の調達からそれを使用した部品製造までなんなりとお問い合わせください。
株式会社日本クロス圧延
千葉県茂原市茂原697
TEL:0475-22-4151
FAX:0475-25-2338
MAIL:oka@atuen.com
担当:岡 正俊