技術のブランディング

技術のブランディング

今回は「加工メーカーのブランド戦略」というテーマを考えていきます。

 

 

 

ブランド戦略っていうと最終製品を製造しているメーカーにしか必要ないと思うかもしれません。しかし視点を変えることで、中間製品や製造技術などもブランド化することが可能です。そしてブランド化することでスムーズに海外展開できるようになります。とても重要なことなので、どうぞお付き合いください。

 

自社製品が無いのが問題なのです!

受託加工メーカーの場合、客先がデザインした部品や製品を主に製造しているので、自社製品と呼べる製品を持っていないメーカーが多いのです。だから受託加工メーカーが海外進出を考えた場合、販売ではなく受託加工の仕事を「受注」する仕組みを考えていかなければなりません。

 

しかし「自社製品」が無いのにどうやって海外にPR活動したらいい?とよく相談されます。

 

そして多くの方が、海外から受託加工を受注するのは難しいと考えると思います。だけど導入からのプロセスを戦略的に考えてブランディングすることで不可能ではなくなります。

 

本当は材料を販売したくないのです!

弊社は「研究用の材料を製造販売するメーカー」としてブランディングしていますが、実態は「圧延加工」を生業とする「受託加工」の会社なのです。

 

会社のサイトを見てもらえばわかるように、お客さまから「支給」された材料を、指定の厚み寸法に加工するのがメインの業務です。

 

つまり販売ではなく、受託加工で食べているのです。

 

 

 

 

 

だからブランディングとは裏腹に本当は材料をあまり売りたくないのです(笑)

 

その理由は、材料メーカー(販売)としての比重を増やしてしまうと、素材の仕入れ在庫の経費がかさんでしまい、資金面が悪化してしまいます。金属材料メーカーって規模が大きい会社が多いのは、資金面が潤沢でないと経営できないからなのです。

 

 

 

資金が潤沢ではない弊社の場合、仕入れがない、材料支給の受託加工の仕事がうれしいのです!

 

それなのに何で「研究用の材料を製造販売するメーカー」とブランディングしたのか?

 

もちろんお分かりですよね(笑)

 

ゴールまでのストーリーを戦略的に考えましょう!

海外へ販路開拓の最初の頃は、展示会や英語版の自社サイトなどで、「弊社は圧延加工ができます!」っていう感じの直球で受託加工の宣伝をしていましたが、結果は時間とお金を無駄にするだけで海外から「受託加工」の仕事を受注することはできませんでした。

 

だけど現在は「受託加工」の仕事を海外から受注しています。

 

どこが違うのでしょうか?

 

それはゴール(受託加工の受注)までのストーリーを戦略的に考えているからです。

 

といっても、難しいことではありませんが(笑)

 

 

 

岡さんのとこは販売する「製品」がるから、海外進出も簡単だよねってよく言われます。

 

そういう方は僕のブランディングにまんまと騙されているのです(笑)

 

R&D Materialsは、利益を上げるためのブランドではなく、あくまで海外から加工の仕事を受注するための「入口」なのです。

 

 

 

弊社の場合、材料を海外に販売することは「手段」であって、ゴールは圧延加工の仕事を受注することにあります。

 

だから国内のサイトにはR&D Materialsのブランド展開はしていません。なぜなら国内からは小細工しなくても受託加工の仕事を受注できるからです。

 

 

 

 

 

先程も言いましたが、「研究用の材料を製造販売するメーカー」としてのブランディングはあくまで受託加工の仕事を得るための「入口」です。

 

私が考えた受託加工を受注するまでのストーリーは、

 

 

 

R&D Materialsは、1000種類の材料をクイックデリバリーできますよ!

 

 

便利だからいろいろな問い合わせが来る

 

 

こんな材料手に入らないか?と相談される。

 

 

その材料は持っていないが、あなたが素材を入手できれば、厚み寸法はうちで加工できるよ!

 

 

OK、素材を支給するから作ってくれ!

 

 

 

くだらないほど簡単な台本でしょ(笑)

 

でも、その簡単な台本でもあるのと無いのじゃ大違いなのです。自分はこの台本があるから、ブレることなく次に何をするか行動できます。そして今現在の製品のプロモーションが良いのか、悪いのかも判断できます。いわゆるガイドライン的な役割にもなるのです。

 

 

 

 

 

R&D Materials は「入口」です。多くの潜在顧客にアピールするための部分です。

 

まずは問い合わせが来ないことには、何も始まりません。

 

そしてその問い合わせの中から、小さい取引をしながら信頼関係を築き、また別の提案や受託加工に誘導するなどと進んでいくことができるのです。

 

さいごに

今回は「加工メーカーのブランド戦略」というテーマで考えてみました。

 

 

 

弊社にとってR&D Materials は「入口」です。多くの潜在顧客と取り引きのキッカケを作るためのブランドです。

 

儲からない引合でも何でもいいのです、問い合わせが来ないことには始まりませんよね。

 

そしてその問い合わせの中から、小さい取引の受注と信頼関係を築きながら、別の提案や受託加工に誘導するなど、自分のストーリーへと進すすめていけばいいのです。

 

 

 

 

 

自分が本当に受注したい仕事って、直球勝負じゃなかなか受注できないケースが案外多いのです。

 

国内の顧客との付き合いだって、最初にお金にならない小さい仕事(入口)をしてこそ、最終的に受注の拡大につながっていると思いませんか?

 

 

 

 

 

まずは自社に興味を持ってもらうための「入口」をしっかり考えて、そして最終的に自分のストーリーに誘導するような仕組みを考えてみてはどうでしょうか?

 

 

 

自分の考えたストーリーに物事が進んでいくと最高ですね!

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