説得力のあるPR方法
意味のあるワードの選択
今回は「意味のあるワードの選択」というテーマで書かせて頂きます。
カタログやポスターは最新の情報を発信する「会社の顔」だから、弊社のカタログやポスターを私は自分でデザインしています。自分でポスターやカタログをデザインするようになると、他社のカタログやポスターが気になってしまい、展示会などで他社のポスターやカタログを内容とはまた別の角度から見てしまいます。
あー、いい表現だな!と思ったり、なんだかよくわからない...ものとか、100%業者任せだな〜とか(笑)
とくにキャッチコピーがおもしろいですね、自社や自社製品を短い言葉で的確に表現する。
だからこそ、「名作」と「迷作」があります。
例を出しますね、これは名作?or迷作?
(例)精密部品のパイオニア、匠の技で高精度・高品質をお約束します。
これ、どう思いますか?
言うまでもなく「迷作」ですね、最悪なキャッチコピーです。
理由は「意味のない言葉」の羅列だからです。
高精度とか匠と言う単語に意味がないのです。
だから高精度と書かずに、「精度±0.005mm」みたいに具体的な書き方のほうが興味をひきつけます。
特に海外では具体的な根拠の無い言葉には興味をしめさない傾向が強いと思います。
「高品質、匠の技、パイオニア」などという言葉の使用は避け、だったら「Made in Japan」って大きく掲げたほうが、新興国では効果があります。
根拠のあるワードとは?
というわけで、できるだけ根拠のあるワードをキャッチコピーに使用していきたいですね、特に数値とかは具体的なワードなので積極的に使用したいです。
こんなタイトルはどうでしょうか?
(例)重量偏差「ゼロ」で超高回転タービンの製造!
従来の真円度0.3%から0.15%に改善!150%の高速回転でも無振動
ちょっと泥臭いけど、「意味」が伝わると思いませんか?
ちなみに意味のないワードを具体的にするとこんな感じになります。
文字数が長くなってしまうのが難点ですが、根拠がはっきりしますよね。
(例)高速!→枚分X個! アイドルタイムゼロ サイクルタイム0.5秒
高品質→不適合発生率0.1%以内 最新の計測システム
パイオニア→特許取得 新技術 独自開発
自社の製品に興味を持ってもらうためには、どこが優れているのか?他の製品と何が違うのか?従来よりどれくらい効率が良くなったか?ということをしっかり打ち出して行く必要があります。
そして、その答えは意味のない言葉の羅列ではなく、具体的な「何か」であると思います。その「何か」はご自身でしっかり考え、具体的なワードを導き出しましょう!
それを横着して、製作を業者に丸投げすると、カッコイイ言葉だけのキャッチコピーが付けられてしまいますよ(笑)
さいごに
これを読んで頂いた皆様は、もうキャッチコピーに興味が持てたと思います。
どうかいろいろな会社や製品のカタログのキャッチコピーを読んでみてください。
「名作」「迷作」「傑作」があってなかなか楽しいですよ!
そして自社のキャッチコピーは?
日本の中小製造業の海外販路開拓に少しでもお役に立てればを思いブログを書かせていただきました。何かの参考になれば幸いです。
次回もまたよろしくお願いいたします。
相手のメリットと効果
一瞬で相手のハートをキャッチするには?
最近5秒間マーケティングなどという言葉をよく聞くようになりました。
YouTubeで動画を再生すると、5秒間広告を強制的に見せられるアレです。たいてい5秒後には視聴者にスキップさせられてしまうので、5秒で視聴者のハートをキャッチして続きを見てもらうにはどうしたらいいのか?これを考えるのが5秒間マーケティングって言うらしいです。
でもこれは展示会のポスターにも共通するマーケティング技術です。
来場者が歩きながら各社のブースの前を足早に通り過ぎて行く、その一瞬でハートをキャッチして立ち止まらせ詳しい説明を聞いてもらう、これとまったく同じですね、ハートをキャッチできなければサーッと素通りされてしまいますね。
どうしたら、一瞬で相手のハートをキャッチできるか考えてみましょう!
相手のメリットと効果
今回は「相手のメリットと効果」というテーマで書かせて頂きます。
私はポスターを製作するとき、弊社の製品を購入している既存のお客さまは、「どんなメリットがあって弊社から購入してくれるのだろうか?」と最初に考えます。
もちろん独占企業じゃないので、たくさんいる同業者の中から選んでくれるわけだから、何かしらのメリットがあるはずです。「品質が良いから」「安いから」「早いから」「信頼できるから」「便利だから」など、数えればきりがないくらいの理由があると思います。
だから、必ずそのメリットが伝わるキャッチコピーを考えます。
例えば弊社の場合、
「弊社のInver材料で計測用センサーの精度が約20%向上します」と使用する側のメリットをキャッチコピーにします。
そしてサブタイトルで内容を補完します
サブ「弊社が製造するInverは従来品より、寸法誤差が20%向上しました、よってセンサーに使用した場合、測定精度の向上をお約束します。」
ただ、「高精度、高品質な材料を製造できます」と書くより、相手のメリットを書くことでより興味を持ってもらえるのです。
では、もうひとつ「メリット」を提案するポスター用タイトルを少し考えてみましょう。
ポスターのタイトルで「メリット」サブタイトルで「その説明」と考えてみました。
(例)
タイトル:DLC処理で金型寿命が1.5倍に!(メリット)
サブタイトル:弊社独自のDLC処理で、金型表面が超硬並の硬さに!
それにより耐摩耗性が150%-200%向上します。(その説明)
この場合DLC処理の技術や理屈を説明するのではなく、それによって得られる効果(メリット)をタイトルにしました。DLC処理というものが何であれ、お客さまにとっては「それによって得られる効果(メリット)」の方に興味があると考えます。
メリット提案型のプロモーション
海外では「メリット」をタイトルに入れることが重要になってきます。
「弊社にはこんなすごい技術があります!」だけで用途をはっきり打ち出さない展示だとドライな海外ではあまり興味をもってくれません。
ある会社が、すごい技術があって、「うわー」っていうくらい精度がいい仕事ができるのです。それ故にポスターのタイトルに、「高精度」「0.5μ」などという文字が踊っているのですが、海外展示会であまり関心を持ってくれません。
「すごいなー!」って思っても、どのようにそのすごい技術や精度をビジネスにつなげていくか、よくわからないのです。
「すぐに商売につながる=採用することによるメリット」みたいな感じですね、そこら辺は日本以上にシビアです。
ずいぶん古い話ですが、APPLEも、iPodを展開するとき、SONYも携帯型プレーヤーが絶好調でした。携帯型プレーヤーという差別化が難しい製品でも2社のプロモーションのしかたは大きく異なりました。
SONYはテクノロジーや高音質など機能のプロモーション(技術)
APPLEは、iPodを持つとこんなに楽しいよ!と技術ではなく効果(メリット)をプロモーションしましたね、
そんなことも考えると、日本での展示会と比べて、海外展示会では「効果」至上主義な感じが強いですね。
さいごに
今回はあいての「メリット」について考えてみました。
もちろん技術を語ることも大事ですが、その技術を採用することで相手がどんなメリットがあるかを一度考えてみてはいかがでしょうか?
日本の中小製造業の海外販路開拓に少しでもお役に立てればを思いブログを書かせていただきました。何かの参考になれば幸いです。
次回もまたよろしくお願いいたします。
起承転結な説明文とは?
起承転結な説明文とは?
なんで今さら?と思うかも知れませんが、今回は起承転結というテーマで書かせて頂きます。
本来説明文とは、完結でわかりやすさが求められるのに、「この人の説明はわかりにくい」とか「なんだか読みにくい説明文だな」「で、何が言いたいの?」と思う説明やPR文ってよく見ませんか?
展示ポスターを作っていると、説明文が思い浮かばず「なんで自分は説明文が下手なんだろう...」と考えてばかりいました。そんなとき出会ったプレゼンのノウハウ本(笑)
それによると文章は「起承転結」に書くことで、だらだらしたプレゼンじゃなく、メリハリのある、説得力がありわかりやすいプレゼンができると、そして「だれでもロジカルで、説得力のある説明文が書けるようになる」と教わりました。
起承転結な説明文を考えよう!
画像挿入
簡単に起承転結にあてはめて文章を作ってみました。こんな感じですね、
第一章
起:いまから新製品の「探傷検査装置」についてお話させて頂きます。
承:この探傷検査装置は弊社が新しく開発した画像処理による探傷検査装置で、
従来より150%の高速で検査することが可能になりました。
転:しかし従来からこの画像処理技術には、擦り傷と亀裂を識別できないという
問題がありました。
結:今回新しく開発されたアルゴリズムによって、その技術的な問題をクリアでき、
製品化に成功しました。
第二章
起:次に本探傷検査装置の導入のメリットをお話いたします。
承:新開発の画像処理システムによって、不適合品の製品混入を99.8%防止できます。
転:しかし本体が高額なため、導入メリットについて説明させて頂きます。
結:この検査装置は不適合品の識別と同時に、擦傷と裂傷の識別が可能で、従来は適合品が不適合と判別されるケースがありましたが、それが改善されるために製品歩留りが向上します。結果コストの削減につながります。
どうでしょうか?少し簡単すぎる「例」ですが、起承転結の「型」にはめ込むことによって、「余分は話」、「内容の脱線」、「だらだらした説明」などを防止することができます。
こんな経験あるでしょう?
営業の説明を聞いていて「えーっ、この人何のためにそれを言ってるの?」とか「それって、なんの意味があるの?」みたいな(笑)
起承転結な説明文のまとめ
起承転結のメリットは何でしょう?
1.短い文章で完結する説明なので読みやすい。
2.短い文章で簡潔するので、頭に内容が残る
3.「転」があることで、提案に対する疑問の解消。
4.ロジカルに説明することで内容に説得力が生まれる。
こんな効果が期待できますね!
私が一番重要だと思うことは、自社製品をロジカルに表現することだと思います。
「モノづくり」の現場において、生産者はあたりまえのようにロジカルに思考して、自社製品を開発したり製造していると思います。
製品の設計や製法あるいは優位性や性能、品質など、その裏付け無しに「モノづくり」などできるはずありません。
しかし、私もですが、いざ説明を求められると、ロジカルに順序立てて説明することが、とても難しいのです。ついつい言いたいことばかり、まくしたててしまったり(笑)
だから「起承転結」に表現する訓練はとても大切なことです。
自社の製品のPR文章を「起承転結」にあてはめてみたり、営業担当なら自分の説明が「起承転結」に説明できているか?
しっかりと訓練して、表現力を鍛えていきましょう!
さいごに
今回は「起承転結」について考えてみました。
言いたいこと、説明したいことを的確に相手に伝える事ってとても難しいですね、画像を使ったり、最近では動画を使ったり、いろいろなプレゼン方法があると思いますが、簡単なところで、「起承転結」を一度考えてみてはいかがでしょうか?
日本の中小製造業の海外販路開拓に少しでもお役に立てればを思いブログを書かせていただきました。何かの参考になれば幸いです。
写真の情報伝達力は100倍?
写真の情報伝達力は100倍?
製品の説明を言葉だけでするのって、とても難しいですよね、大きさ、デザイン、重量、性能、音などなど、一生懸命説明しても相手に正確に伝わっているか怪しいものです。
しかし、写真を見せれば一瞬で正確に理解できます。
「百聞は一見に如かず」ということばもあるくらいだから、写真の情報力は100倍ということなのですが、ちょっと工夫することで情報伝達力が200〜300倍(当社比)にパワーアップします(笑)
では、どうしたら多くの情報を伝えられる写真になるのでしょうか?
考えてみましょう!
イメージさせる写真とは?
自分は写真を撮るときに被写体だけでなく、なるべく複数の情報を1枚に収めるようにしています。
機械設備の写真なら、その機械だけではなく、機械と操作している職人さん、生産した部品など、その場面の日常の姿のままを撮影するように心がけています。きっと見る人は機械の汚れ具合や、職人さんの表情、整理整頓の状況など、文字では説明できない多くのことを写真から知ることができると思いますし、それを求めていると考えています。
写真の効果って何だろうか?と考えた時に、相手が写真をみて何を想像するだろうか?が大事だと思います。カタログの説明文は良いことしか書いていません。だから現状を写真で撮影し、お客さんに会社を良い方にイメージしてもらうことが重要なのです。
海外との取引を考えているのだから、「安心」「親近感」「信頼」などが重要です。
先に行ったとおり、文章で「信頼第一」「まかせて安心!」なんて書いても意味無いのです。
お客さまには写真から勝手にいろいろ想像してもらいましょう!自分でイメージしたことには「疑い」がないのです。
親近感のイメージ
Alibabaなどの海外の商取引サイトでは、社長や担当者の顔写真と、趣味などのプロフィールを載せるのはアタリマエになっています。国を超えて取引をするのだから、すこしでも相手の人間性がわかったほうが安心して取引できますよね。
最近はプロフィール写真もいわゆる「記念写真」ではなく、妻やペットと一緒とか、ビッグフィッシュが釣れた時の最高の笑顔とか、できるだけ親しみが感じられる写真がふえてきました。
お客さまは、経営者の真面目さや笑顔、プライベートな情報をみることて、「この人なら信用できる」と勝手に想像してくれるでしょう!
文章で「私は誠実な人間です」って書く必要はありません(笑)
精度や品質のイメージ
国内での取引では、取引開始前に工場見学することで、製品の品質、会社の雰囲気、5Sの状況などを確認できますが、海外取引だと公開する情報がすべてです。
だから一般的なカタログのような「静的」な写真でなく、お客さまにいろいろ想像してもらえるような「動的」な写真にしましょう。
製品写真なら、それを実際使っている写真で、「使いやすそうだなー」とか、「なんか欲しいなあ」とか、製品のスペック以外のことを想像してくれたら良いですね。
部品製造なら、若いオペレーターと真剣に作業している表情オペレーターが実際に作業している風景などで、真剣、丁寧、雰囲気、教育、親近感などを良い方向に想像してくれたら良いですね。
機能性のイメージ
たとえば表面処理なら、表面処理された部品のアップだけでなく、その表面処理の「効果」がわかるように工夫します。技術が分かる人も、もちろんいますが「効果」にしか興味のない人もいます。
表面硬度の硬質化なら、強化するのは手段なので、表面を硬質化することで耐摩耗性が向上するという「効果」がわかるように考えます。
機能性なんて使ってみないと、「良いのか悪いのか」わからないですよね、だから「良さそうだな」って想像してもらえるような写真が取れるといいですね、とはいっても、これがなかなか難しいのですが...
問 題
下の写真を見て何をイメージしますか?
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しごとを依頼して大丈夫かな??
さいごに
今回は展示ポスターの「写真」について考えてみました。
写真は重要な情報伝達ツールです。ただ対象物を撮影するのではなく、より多くの情報を写しこむことで、相手に対して、安心感とか、会社の雰囲気など文字では説明できない情報を相手に伝えることができます。
通信販売サイトの写真はとてもよくできてます。
例えばお米などは、里山の風景と澄んだ水、それを育てる農家の笑顔」などの写真がよく使われていますが、みごとに安心や機能(美味しさ)を写真で表現しています。そして食べていないのに「美味しいだろうなー」と勝手に想像しているのです。
そして自分で勝手に想像した「美味しい」ということに疑いを持たないのです。
たべてもいないのに「いや、あれは絶対美味しいよ!」と確信してしまう。通販サイトの製作者の狙い通りの結果に(笑)
さて、自社のカタログ写真からお客さまは何を想像するでしょうか?勝手に良い方へイメージしてくれたら最高ですね!
日本の中小製造業の海外販路開拓に少しでもお役に立てればと思いブログを書かせていただきました。何かの参考になれば幸いです。
次回もまたよろしくお願いいたします。
要素の分析 01
2回に分けて「要素の分析」というテーマを考えていきます。
マシニングセンタやプレスで部品を製造している会社も、一括りではプレス屋、削り屋ということになり、なかなか差別化が難しいと思います。しかし生産される部品は、さまざまな分野で使用されるはずです。
それをしっかり分析することで、自社の強みを再度確認して力強く発信していこう!
という内容です。
ちょうど台湾の会社の異型断面材料のプロモーションを依頼されたので、これを題材に考えていきます。
お客さまは何故、あなたの会社の製品を買ってくれるのですか?
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この会社は引抜き加工という製法で異型断面材料を製造しています。
異型断面材料とは文字の通りに、いろいろな断面形状の材料で、電子部品、工具、産業機械、腕時計のベルトのような装飾品まで、さまざまな用途に使われます。
いわゆる引抜き加工という製法の歴史は古いためライバルが多く、どうやって差別化していくかが重要です。
とにかく製品や会社に関する情報をヒヤリングしました。
ひと通り会社の説明を受けたあと、この質問をしなくては始まりません。
「お客さまは何故、あなたの会社の製品を買ってくれるのですか?」
と聞いたところ、自社の製品は、穴ダイスではなく、ロール引抜き加工なので、とても精度が良く、表面粗度に優れている、だから欧州の腕時計メーカーにも出荷している。
次に、どのように日本国内でプロモーションしたいですか?
との問に、台湾の低価格というイメージ「安かろう悪かろう」を払拭して、高精度と高級感を全面に出して、販売価格も日本の価値観で売っていきたいとのこと。
私も台湾の工場を訪問しましたが、たしかに品質は国内の製品に負けず劣らずで、素晴らしい製品です。そして精度もJIS公差以上の高精度で生産されていました。
でも「うちの製品は精度がいいですよー」って宣伝すれば、売れるなら簡単なのですが...
欲張ると製品情報が薄まってしまいます。
引抜加工なんて、100年以上前から存在している加工方法で、日本にだって精度や品質の良い会社がたくさんあります。だから同じようなプロモーションではわざわざ外国から購入する訳ありません。精度、品質が良いというのは「アタリマエ」のことなのです。
その「アタリマエ」の部分をアピールしても無意味ですよね。
欲張って自社製品のすべてを一度にプロモーションしようとすると「精度、品質がいいですよー」とか抽象的なことしか発信できなくなるのです。理由は複数の製品情報を一度に発信すると、それらの共通項しか発信できなくなり、だから情報の内容が薄まってしまうのです。
要素を分析するとは?
いきなり場面が変わりますが、「浅草観光に行きたい!」という方に説明するとします。どのように説明しましょうか?
1.日本はこんな国です!
2.関東地方はこんな特徴があります!
3.東京都はこんな町です!
4.浅草の見どころはここです!
さて、どの情報が重要でしょうか?考えることもなく浅草に観光したいのだから、浅草の情報をピンポイントでほしいですよね。
お客さんが必要としている「情報」をしっかり提供することが大切です。
ついつい欲張って、数多くある製品を一度に紹介したいと考えてしまいますが、絞り込んでいけば行くほど内容の濃い情報を発信できます。
内容の濃い情報を発信することで、「この会社ならできそう」から「この会社なら出来る!」という確認に変えることができます。
さいごに
今回は「要素の分析」というテーマで考えてみました。
全体ではなく、製品単位でプロモーションすることで、精度、品質だけでなく、性能、効率、メリットなどさらに多くの情報を発信できます。
もちろん手間はかかりますが、1つ1つ丁寧にPRしていくことが重要です。
今現在、異型断面材料を製造している会社で、1アイテムごとにプロモーションしている会社は存在しないので、他社より1歩前進できるといいですね(笑)
要素の分析 02
今回も「要素の分析」というテーマを考えていきます。
マシニングセンタやプレスで部品を製造している会社も、一括りではプレス屋、削り屋ということになり、なかなか差別化が難しいと思います。しかし生産される部品は、さまざまな分野で使用されるはずです。
それをしっかり分析することで、自社の強みを再度確認して力強く発信していこう!
という内容です。
前回、「複数の製品情報を一度に発信すると、それらの共通項目しか発信できなくなるので、情報の内容が薄まってしまう」という内容を書きました、今回は実際に台湾の会社の異型断面材料を題材にこのテーマを考えていきましょう。
自社の製品が何に使われているか知ってますか?
この会社の製品は、基本的にお客さまからの図面を元に製造しているため、全製品の40%くらいは用途がわかっていませんでした。
用途が不明な部品は、これらが基礎部品で製品までに多くの工程が必要なため、確認していなかったとのこと。
用途がわからないと産業の分類できないので、営業担当に顧客フォローをかねて部品ごとに用途を確認するよう徹底しました。
日本では自社の製品が何に、どのように使われているかを調べるのは基本ですよね、でも肩まで下請けに浸かってしまうと、それすらわからない会社のあるのですよ(笑)
用途ごとに分類することで見えてくるものとは?
製品の用途がわかったところで、使用されている産業の分類分けをしてみました。そうするとこんな感じになりました。
1.工具部品: スプリングロック、ラチェット用歯車、エアーツールのインパクト部品
2.機械部品:スプリングロック、一方向クラッチ
3.医療機器:小型定量ポンプ用インペラ、インプラント
4.繊維衣料:編み機、紡績機用ガイド部品
5.摺動部品:ガイドレール、ベアリング(インナー、アウター)
6.ろ過機:金属フィルター用ウエッジワイヤー
7.電気部品:コネクタピン、スイッチ用接点、抵抗線
8.自動車部品:内燃機用ピストンリング、歯車用キー材
9.装飾品:時計ベルト、メガネ部品
10.規格品:フラットバー、六角バー、四角バー
とりあえず10種類の分野に分類されました。
装飾品から自動車までさまざまな分野の部品がありますね、これらを一まとめにして「異形材料を製造します!」って、宣伝しても効果がないことは目に見えてますね。
だけど、こうやって分類ごとにプロモーションすれば、専門的に深く情報を発信することができます。最低でも10冊はカタログが必要ですね(笑)
1アイテムごとに丁寧にプロモーション
あせらないで順番にプロモーションするので、どれからにするか選択しないといけません。
日本国内で競争できそうな分野で競合が少ない分野ということで、ろ過機に使用されるウエッジワイヤーからはじめました。
ウエッジワイヤーとは、△形状のバー材で、それを△△△と並べてその隙間のサイズで、液体中の粒子をろ過、通過をコントロールすることができる金属フィルターです。
精度が良ければよいほど、隙間のサイズが精密になるので、フィルターとしての性能が向上します。
方向性が決まればプロモーションできます。
「日本初!20μの精度で液中の粒子をろ過できます。」
と、この会社のウエッジワイヤーを使用することで、どのようなメリットがあるかを具体的に発信できますね。
分野を選択することで、内容の濃い情報=「お客さまにとって必要な情報」を発信できるようになります。
今回も「要素の分析」というテーマで考えてみました。
一度自社製品を用途別に分類分けをしてみてはどうでしょうか?
全体ではなく、製品単位でプロモーションすることで、精度、品質だけでなく、性能、効率、メリットなどさらに多くの情報を発信できます。
もちろん手間はかかりますが、自社製品の要素をしっかりと分析、選択することが重要です。そして具体的で内容の濃い、お客様にとって本当に必要な情報をしっかりと発信していきましょう。